移転のお知らせ はがき 例文|事務所・店舗の移転を伝える書き方と送る時期

事務所や店舗の移転が決まると、物件の契約、内装、引っ越し、各種の届け出と、目の前の作業に追われます。そのなかで後回しになりがちなのが「お知らせ」です。けれども、移転のお知らせが届かなかったお客様にとって、お店は「ある日突然なくなった」のと同じです。

この記事では、移転のお知らせをはがきで送る時期と書き方、必ず入れておきたい項目、事務所・店舗・医院など相手別にそのまま使える例文をまとめました。あわせて、はがきで顧客フォローを続けてきた立場から、移転をきっかけにしばらくご無沙汰しているお客様へ連絡する方法もご紹介します。

移転のお知らせはいつ送る?時期の早見表

移転のお知らせは、移転日の1か月前〜2週間前に相手に届くように送るのが基本です。はがきはメールと違い、届くまでに数日かかります。印刷や宛名書きの時間も含めて、移転日から逆算して準備しましょう。

送る相手届けたい時期理由
取引先・仕入れ先移転の1か月前請求書の送付先、配送先、登録住所の変更など、先方の社内手続きに時間がかかるため
顧問先・定期的にご依頼のあるお客様移転の1か月前〜3週間前書類の郵送や来所の予定を、新しい場所に合わせてもらうため
来店型のお店のお客様移転の2〜3週間前早すぎると忘れられ、遅すぎると旧店舗に来てしまうため
移転のための休業があるお店休業開始の2〜3週間前休業期間中に来て閉まっていた、という残念な体験を防ぐため
しばらくご来店のないお客様移転の直後〜1か月後新しいお店の様子を伝え、「行ってみよう」と思ってもらうため

早く送れば丁寧というわけではありません。2か月も前に届くと、相手が移転日の前に新住所へ書類を送ってしまうなど、かえって混乱のもとになることがあります。「移転日」と「新住所での業務開始日」がはっきり決まってから送るのが確実です。

移転日を過ぎてしまった場合も、出さないより「ご案内が遅くなりましたが」と一言添えて出すほうがずっと丁寧です。

移転のお知らせに必ず入れる項目

移転のお知らせは、挨拶状であると同時に「新しい場所への案内状」です。読んだ人が迷わず連絡・来店できるよう、次の項目をもれなく入れましょう。

項目書き方のポイント
移転日(業務開始日)「〇月〇日(〇)より新事務所にて営業いたします」と曜日まで書く
新住所郵便番号・ビル名・階数まで省略せずに書く
電話・FAX番号変わる場合は「新」と明記。変わらない場合も「電話番号に変更はございません」と書くと相手が安心する
休業期間移転作業で休む日があれば必ず書く
最寄り駅・目印「〇〇駅東口から徒歩5分、〇〇銀行の隣」など、初めての人の目線で書く
駐車場有無、台数、提携駐車場の有無。車で来るお客様が多い業種ではとくに大切
地図簡単な地図かQRコード。はがきの下部か宛名面の差出人欄に入れる
変わらないこと「営業時間・担当者・サービス内容は変わりません」など、お客様が気にしそうな点

意外と知られていない「変わらないこと」を書く効果

移転のお知らせを受け取ったお客様が、口には出さなくても気にしているのは「担当の人はそのままだろうか」「値段やサービスは変わるのだろうか」ということです。

新しい情報だけを並べると、こうした不安はそのまま残ります。「担当は引き続き〇〇が務めます」「メニューと料金は変わりません」と、変わらないことを一行書くだけで、お客様は安心して新しい場所へ足を運べます。移転の案内で見落とされがちな、けれども効き目の大きい一行です。

差出人の住所は旧住所か新住所か

はがきの差出人欄に書く住所は、投函する時点で郵便物を受け取れる住所にするのが原則です。移転前に出すなら現在の(旧)住所を差出人にし、新住所は本文の「記」の部分に「〇月〇日より」と添えて書きます。移転後に出す場合は、差出人も新住所にします。

旧住所と新住所が並ぶと、どちらが新しいのか一目でわからなくなることがあります。本文では新住所を太字や枠で目立たせ、「新住所」と見出しを付けておくと親切です。差出人欄のデザインは、宛名面の差出人デザイン作成・プリント代行(1枚30円)でお任せいただくこともできます。

【そのまま使える】移転のお知らせ 例文(取引先・事務所)

ここからは相手別の例文です。「〇〇」の部分を書き換えてお使いください。改まった挨拶状は、昔ながらの慣習に合わせて句読点を省いて書いています。時候の挨拶は送る月に合わせて変えてください。11月なら11月の時候の挨拶の言葉がそのまま使えます。

会社の事務所移転(取引先へ/正式)

拝啓 晩秋の候 貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます
平素は格別のご高配を賜り 厚く御礼申し上げます
さてこのたび弊社は業務拡大に伴い 下記へ事務所を移転することとなりました
これを機に社員一同心を新たにして より一層のサービス向上に努めてまいる所存です
今後とも変わらぬご支援ご愛顧を賜りますよう お願い申し上げます
まずは略儀ながら書中をもちましてご案内申し上げます
敬具
記
新住所 〒〇〇〇-〇〇〇〇 〇〇県〇〇市〇〇町〇-〇-〇 〇〇ビル〇階
新電話番号 〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇(FAX番号も変更になります)
業務開始日 令和〇年〇月〇日(〇)
以上

電話番号が変わらない場合の一文

なお電話番号およびFAX番号に変更はございません

この一文があるだけで、取引先は登録情報のうち住所だけを直せばよいとわかります。小さなことですが、相手の手間を減らす気配りです。

士業事務所の移転(顧問先へ)

拝啓 向寒の候 ますますご清祥のこととお慶び申し上げます
平素は格別のお引き立てをいただき 誠にありがとうございます
さてこのたび当事務所は 〇月〇日より下記へ移転することとなりました
新事務所は〇〇駅から徒歩〇分で 駐車場も〇台ご用意しております
担当者および業務内容に変更はございません
資料をご郵送いただく際は 〇月〇日以降は新住所宛てにお送りくださいますようお願い申し上げます
敬具

顧問先にとって切実なのは「書類をどこへ送ればいいか」です。郵送先の切り替え日をはっきり書くと、旧住所に書類が届いてしまう心配が減ります。士業の季節のお便りや顧問先フォローは、士業のはがき活用ガイドもあわせてご覧ください。

社内の部署・営業所の移転(担当者から取引先の担当者へ)

〇〇株式会社 〇〇様
いつも大変お世話になっております。
このたび弊社〇〇営業所が、〇月〇日より下記の住所へ移転することになりました。
私〇〇は引き続き担当させていただきますので、これまでどおりお気軽にご連絡ください。
新しい事務所にもお近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。
今後ともよろしくお願いいたします。

会社として印刷した案内状とは別に、担当者が一言手書きで添えたはがきを送ると、「ご縁は変わりません」という気持ちがまっすぐ伝わります。

【そのまま使える】移転のお知らせ 例文(店舗・サロン・医院)

お客様向けの案内は、読みやすさを優先して句読点を入れ、やわらかい言葉で書きます。

店舗の移転(常連のお客様へ)

〇〇様
いつも〇〇をご利用いただき、ありがとうございます。
このたび当店は、〇月〇日(〇)より〇〇通り沿いの新しい店舗へ移転いたします。
旧店舗から歩いて3分ほどの、〇〇薬局の向かいです。
店内が少し広くなり、ゆったりお過ごしいただける席を増やしました。
メニューと価格はこれまでと変わりません。
新しいお店でお会いできるのを、スタッフ一同楽しみにしております。

移転に伴う休業のお知らせ(飲食店)

〇〇様
日ごろより〇〇をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
当店は移転のため、〇月〇日(〇)から〇月〇日(〇)まで休業させていただきます。
〇月〇日(〇)より、〇〇駅南口の新店舗にて営業を再開いたします。
休業中はご不便をおかけいたしますが、新しいお店でも変わらぬおいしさをお届けできるよう準備してまいります。
再開の日を楽しみにお待ちいただけましたら幸いです。

休業期間は日付と曜日を必ず並べて書きましょう。飲食店のはがき活用は飲食店のはがき活用ガイドにまとめています。

美容室・サロンの移転(駐車場の案内つき)

〇〇様
いつもご来店いただき、本当にありがとうございます。
このたび〇〇は、〇月〇日より〇〇町の新しいお店へ移ることになりました。
新店舗には専用駐車場を〇台ご用意しましたので、お車でも安心してお越しください。
スタッフもメニューもそのままです。
次回のご予約から新しいお店でお待ちしております。
場所がわかりにくいときは、お気軽にお電話ください。

サロンのお客様は「いつもの担当者」に会いに来てくださっています。スタッフが変わらないことは、最初に伝えたい安心材料です。サロンでのはがき活用は美容室・サロンのはがき活用ガイドもご覧ください。

クリニック・歯科医院の移転

拝啓 初冬の候 皆様にはますますご健勝のこととお慶び申し上げます
平素より当院をご利用いただき 誠にありがとうございます
さて当院は〇月〇日より 下記の場所へ移転し診療を行うこととなりました
診療科目および診療時間に変更はございません
移転に伴い〇月〇日から〇月〇日までは休診とさせていただきます
ご不便をおかけいたしますが 何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます
敬具

医療機関の移転では、通院中の方が「次の予約日はどこに行けばいいのか」と迷わないことが何より大切です。予約のある方には、予約日と新しい場所をあわせて伝えると安心していただけます。誇張した表現は避け、事実を落ち着いて書きましょう。歯科医院での活用は歯科医院のはがき活用ガイドにまとめています。

移転後のご来店のお礼

〇〇様
先日は新しいお店に足を運んでくださり、ありがとうございました。
「前より明るくなったね」と言っていただけて、スタッフ一同とてもうれしく思っています。
慣れない場所で迷われなかったでしょうか。
これからも、ほっと一息つけるお店でありたいと思います。
またのお越しをお待ちしております。

移転後に初めて来てくださったお客様には、1週間以内にお礼のはがきを送ると、新しいお店での「最初の一回」がよい思い出として残ります。お礼状の基本はお客様へのお礼状はがき 文例集でも詳しくご紹介しています。

プロの視点:移転は、ご無沙汰しているお客様に連絡できる「堂々とした理由」

ここが、この記事でいちばんお伝えしたいことです。

移転のお知らせを、今のお客様や取引先にだけ送っていませんか。はがきで顧客フォローを続けてきた経験から言うと、移転のお知らせがいちばん力を発揮するのは、しばらくご来店のないお客様です。

ご無沙汰しているお客様に連絡しようとすると、「今さら何を書けばいいのか」「売り込みだと思われないか」と手が止まります。ところが移転は違います。住所が変わるのですから、過去にご縁のあったすべてのお客様にお知らせするのは、当たり前のことです。どなたにも、気兼ねなく送れる理由になります。

しかも、移転のお知らせはお客様にとって「知っておかないと困る情報」です。読まずに捨てられにくく、「そういえば、あのお店、最近行っていなかったな」と思い出してもらうきっかけになります。

しばらくご来店のないお客様へ(移転のご報告)

〇〇様
ご無沙汰しておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
以前〇〇でお世話になりました、〇〇の〇〇です。
このたびお店を、〇〇駅の近くへ移転することになりましたので、ご報告申し上げます。
新しいお店は以前より駐車場が広くなり、お車でも来ていただきやすくなりました。
お近くにお越しの際は、どうぞお気軽にお立ち寄りください。
またお会いできる日を楽しみにしております。

しばらくご依頼のない取引先へ(事務所移転のご報告)

〇〇様
大変ご無沙汰しております。〇〇の〇〇です。
以前は〇〇の件で大変お世話になり、ありがとうございました。
このたび事務所を移転いたしましたので、ご報告かたがたご挨拶申し上げます。
新しい事務所は〇〇駅から徒歩〇分の場所になりました。
お困りごとがございましたら、いつでもお気軽にお声がけください。

どちらの例文も、売り込みの言葉は入れていません。「移転しました」という報告と、「お会いできるのを楽しみにしています」という気持ちだけで十分です。久しぶりのお客様に送るはがきの考え方は、休眠顧客の掘り起こしは「はがき」からで詳しくご紹介しています。

移転から1年後に、もう一度お便りを出す

もう一つ、あまり知られていないことがあります。郵便局に転居届を出すと、旧住所宛ての郵便物は届出日から1年間、新住所へ転送されます(事業所の場合の手続きや必要書類は、最寄りの郵便局で確認してください)。

裏を返せば、1年たつと旧住所宛ての郵便物は届かなくなります。お客様の住所録や取引先の登録情報が古いままだと、そこで連絡が途切れてしまうのです。

そこでおすすめしたいのが、移転から1年後の「移転1周年」のお便りです。

〇〇様
〇〇が今の場所に移って、おかげさまで1年がたちました。
新しいお店にも、たくさんのお客様に足を運んでいただき、心より感謝しております。
念のため、新しい住所とお電話番号をあらためてご案内いたします。
これからもどうぞよろしくお願いいたします。

近況のご挨拶として自然に送れて、新しい住所をもう一度覚えていただけます。季節のお便りに一行添える形でもかまいません。季節の挨拶の文面は、年4回の季節のご挨拶はがき用・文章テンプレート集をそのまま使えます。

移転のお知らせをはがきで送るときの準備

住所録をこの機会に整える

移転のお知らせは、これまでのお客様名簿を見直すよい機会です。名刺、予約台帳、顧客カード、年賀状のやりとりなどから宛先を集め、一つの住所録にまとめておきましょう。ここで整えた住所録は、移転後のお礼状や季節のお便りにもそのまま使えます。宛名の敬称は、会社宛なら「御中」、個人宛なら「様」が基本です。担当者宛の書き方は宛名の書き方 ビジネス編で詳しく解説しています。

枚数は「お知らせ+移転後のお便り」で考える

お知らせを出す相手が150人なら、はがきも150枚あれば足りるように思えます。しかし、移転後に来てくださったお客様へのお礼状、季節のお便り、1年後のご案内まで考えると、移転の前後だけでかなりの枚数を使います。

はがきDoのポストカードは同じ柄100枚単位の販売で、100枚3,960円(1枚39.6円)、200枚6,160円(1枚30.8円)、300枚なら8,250円(1枚27.5円)と、まとめるほど1枚あたりの単価が下がります。違う柄を組み合わせても合計枚数で単価が決まりますので、移転のお知らせ用の柄とお礼状用の柄を組み合わせて揃えておくと便利です。詳しくはまとめ買いの料金をご覧ください。ご注文から2営業日以内に発送しますので、移転準備で慌ただしい時期でも間に合わせやすいはずです。

切手と投函日

ポストカードは通常はがきと同じく85円の切手で送れます(2024年10月からの料金です)。土日や祝日をはさむと配達に日数がかかることもあるため、届けたい日から余裕をもって投函しましょう。

移転のお知らせにおすすめの柄

移転のお知らせには、新しい場所での再出発を感じさせる、明るく開けた風景の柄がよく合います。

季節を問わず使える草原と青空は、広い空が「新しい場所」を感じさせる、業種を選ばない柄です。どっしりとした大きな木が印象的なこの木なんの木は、「これからもこの地に根を張って」という気持ちを託せます。秋の移転ならイチョウ並木、冬なら樹氷と雪景色のように、移転する季節の風景を選ぶと、時候の挨拶とも自然につながります。

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よくある質問

移転のお知らせはいつまでに送ればよいですか?
移転日の1か月前〜2週間前に相手に届くように送るのが基本です。取引先など手続きが必要な相手には1か月前を目安にします。早すぎると移転前に新住所へ郵便物が送られる混乱が起きることがあるため、移転日と業務開始日が確定してから送りましょう。
移転のお知らせはがきの差出人住所は、旧住所と新住所のどちらを書きますか?
投函する時点で郵便物を受け取れる住所を書くのが原則です。移転前に出すなら旧住所を差出人にし、新住所は本文の「記」に「〇月〇日より」と添えて書きます。移転後に出す場合は新住所を差出人にします。
電話番号が変わらない場合も書いたほうがよいですか?
「電話番号に変更はございません」と一文添えるのがおすすめです。相手は住所だけを修正すればよいとすぐにわかり、登録情報の更新の手間が減ります。
移転のお知らせは、しばらく来店のないお客様にも送ってよいですか?
送ってかまいません。住所が変わるのですから、過去にご縁のあったお客様にお知らせするのは自然なことです。売り込みの言葉は控え、移転のご報告と「またお会いできるのを楽しみにしています」という気持ちを伝えるだけで十分です。

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