「初回に来てくださった方が、そのまま来なくなってしまった」「痛みが引いたあとのお客様に、どう連絡すればいいのかわからない」。整体院や整骨院では、よくあるお悩みではないでしょうか。
施術の現場は、お客様のお体という繊細なことを扱います。そのため、はがきの文面にも、ほかの業種とは違う気づかいが必要です。症状をどこまで書いてよいのか、再来院をどう促せばいいのか、迷って手が止まってしまう方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、整体院・整骨院でそのまま使えるはがきの例文を場面別にご紹介します。あわせて、症状に触れるときの注意、避けたい表現と言い換え、送る時期の目安もまとめました。
はがきで顧客フォローを続けてきた専門店の視点から、「売り込まず、思い出していただく」ためのお便りの形をお伝えします。
整体院・整骨院のはがきは「いつ・何を」送るか(早見表)
まずは全体像です。すべてを送る必要はありません。最初は「初回のお礼」と「間があいた方へのお便り」の2つから始めれば十分です。
| 場面 | 送る時期の目安 | 文面の中心 | 書かないこと |
|---|---|---|---|
| 初回来院のお礼 | 来院から2〜3日以内 | 来てくださったことへのお礼、話して印象に残ったこと | 症状名、次回予約の催促 |
| 通院が落ち着いた方へ | 最後の来院から2〜4週間 | 通ってくださったお礼、その後を気づかう一言 | 「再発」など不安をあおる言葉 |
| 間があいた方へ | 最後の来院から3〜6か月 | ご無沙汰の挨拶、体調を気づかう一言 | 来なくなった理由の詮索 |
| 誕生日 | 誕生日の1週間前に届くように | お祝いの言葉 | 施術の案内 |
| 季節の便り | 年に2〜4回 | 季節の話題、お体を気づかう一言 | 効果をうたう言葉 |
| 年末年始の案内 | 12月上旬〜中旬 | 施術日・受付時間の案内 | 割引の強調 |
時期はあくまで目安です。通院の間隔は、お客様の状態や院の方針によって変わります。実際に名簿を見ながら、自院の来院間隔に合わせて調整してください。
【意外な落とし穴】はがきは本人以外の目にも触れる
整体院・整骨院のはがきで、いちばん気をつけたいのがこの点です。
はがきは封筒と違い、届くまでの間に誰の目にも触れる可能性があります。ご家族が郵便受けから取り出すこともありますし、職場に届く場合もあります。
開かなくても読めることは、はがきの大きな長所です。しかし、お体のことを扱う院にとっては、気をつけるべき点にもなります。
たとえば、次のような一文はどうでしょうか。
- 「腰の痛みはその後いかがですか」
- 「産後の骨盤の不調は落ち着かれましたか」
- 「ぎっくり腰で来院された際は大変でしたね」
書いた側は親身なつもりでも、受け取った方は「家族に見られたくなかった」と感じることがあります。腰痛程度なら気にしない方も多いでしょう。ただ、産後の不調、自律神経の不調、婦人科に関わるお悩みなどは、人に知られたくない方も少なくありません。
そこで、次のように考えると迷いません。
はがきの文面は「郵便受けから家族が読んでも困らない内容」にとどめる。
症状そのものを書かなくても、気づかいは伝わります。「腰の痛みはその後いかがですか」は、「その後、お加減はいかがですか」で十分です。「お話を伺えてよかった」と書けば、ご本人には何のことかが伝わります。
それでも具体的なことを書きたいときは
症状以外の話題なら、具体的に書いても問題はありません。むしろ、お客様との会話で出た次のような話題こそ、はがきの主役にふさわしいものです。
- 趣味や休日の過ごし方(「お孫さんとの旅行」「週末のゴルフ」など)
- お仕事の様子(「繁忙期が近いとのこと」など)
- 飼っているペットや、ご家族の話
- 待合室で話題になったこと
たとえば「お孫さんと旅行に行かれるとのこと」と書いてあれば、受け取った方は「覚えていてくれたんだ」と感じます。自分宛てのお便りだと伝わるのは、症状より、こうした会話の記憶です。
施術記録とは別に、「会話メモ」の欄を1行設けておくと、はがきを書くときにとても役立ちます。
初回来院のお礼はがき 例文
初回のお礼は、はがきの効果を実感しやすい場面です。来院から2〜3日以内に届くのが理想で、施術の説明や次回予約の話は入れないほうが、気持ちがまっすぐ伝わります。お礼状の基本についてはお客様へのお礼状はがき 文例集もあわせてご覧ください。
基本の文例(整体院)
先日はご来院いただき、ありがとうございました。
初めての場所で緊張されたかと思いますが、いろいろとお話を聞かせていただき、うれしく思っております。
気になることがございましたら、どんな小さなことでもお気軽にお声がけください。
季節の変わり目です。どうぞご自愛くださいませ。
会話の内容を添える文例
先日はありがとうございました。
お話に出たお孫さんとのご旅行、楽しみですね。
お出かけの様子を、またぜひ聞かせてください。
〇〇様にお会いできる日を、スタッフ一同楽しみにしております。
ご紹介で来院された方へ
先日は当院にお越しいただき、ありがとうございました。
〇〇様からのご紹介と伺い、ご縁をありがたく感じております。
何かお困りのことがありましたら、ご遠慮なくご相談ください。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。
ご紹介者へのお礼を別に送る場合は、紹介された方の来院内容には触れないようにしましょう。ご紹介へのお礼だけにとどめ、どのようなお悩みだったかは書きません。
このたびは、〇〇様をご紹介いただき、ありがとうございました。
大切なご友人をご紹介くださったお気持ちを、大変うれしく思っております。
〇〇様にもよろしくお伝えくださいませ。
スタッフが一言書くときの短い文例
毎回文章を考えるのが負担なら、印刷した本文に手書きの一言を添える形で十分です。
先日はたくさんお話しできて楽しかったです。またお目にかかれるのを楽しみにしています。(担当 〇〇)
再来院につながるはがきは「来なくなった理由」の見方で変わる
ここが、ほかの業種のお便りと大きく違うところです。
飲食店や美容室なら、足が遠のいたお客様は「離れてしまったお客様」と考えがちです。しかし、整体院や整骨院では、来なくなったのは「お体の調子がよくなったから」かもしれません。これは院にとって、むしろ喜ばしいことです。
それなのに、文面が「最近お見えにならないので心配しています」「放っておくと悪化しませんか」という調子だと、調子よく過ごしている方を不安にさせてしまいます。来院を促すつもりの言葉が、かえって距離を生むことになりかねません。
そこで、文面の前提をこう置き換えてみてください。
- 誤り:「来なくなった=問題がある」
- 適切:「来なくなった=お元気に過ごされているなら何より。もし何かあれば、ここにいます」
間があいたお客様へのはがきの役割は、呼び戻すことではなく、「また頼ってよい場所があること」を思い出していただくことです。多くの方は「久しぶりすぎて行きづらい」という気まずさも抱えています。その気まずさをほどく一言があれば、必要になったときに思い出していただきやすくなります。休眠顧客へのお便り全般の考え方は、休眠顧客の掘り起こしは「はがき」からで詳しくご紹介しています。
通院が落ち着いた方への文例
しばらくの間、通ってくださりありがとうございました。
毎回笑顔で来てくださる〇〇様とお話しするのが、私たちの楽しみでした。
お忙しい毎日かと思います。どうぞお体を大切にお過ごしください。
また何かありましたら、いつでもお立ち寄りください。
3か月ほど間があいた方への文例
ご無沙汰しております。その後、お変わりなくお過ごしでしょうか。
お元気に過ごされていましたら、何よりうれしく思います。
近くにお越しの際は、お顔を見せていただけるとうれしいです。
半年以上間があいた方への文例
すっかりご無沙汰しております。〇〇院の〇〇です。
以前お話しくださったご趣味の〇〇は、続けていらっしゃいますか。
久しぶりでも、どうぞお気がねなくご連絡ください。
〇〇様のお元気なお声を伺えるのを楽しみにしております。
「久しぶりでも、どうぞお気がねなく」の一文が、この場面の要です。お客様が言い出しにくいことを、院の側から先に言葉にしてあげるわけです。
季節の変わり目に送る文例
朝晩の冷え込みが深まってまいりました。
寒い時期は、ついお体に力が入りがちですね。お忙しいとは思いますが、どうぞご無理なさらずお過ごしください。
何か気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
症状や効果の書き方:避けたい表現と言い換え
はがきの文面でも、施術の効果を約束する書き方は避けましょう。断定的な表現は法令に関わることがあるだけでなく、効果の感じ方に個人差がある以上、お客様との信頼の面でも得策ではありません。
| 避けたい表現 | 理由 | 言い換えの例 |
|---|---|---|
| 必ず治ります/根本から改善します | 効果の断定・保証にあたる | 気になることはお気軽にご相談ください |
| 腰痛が治ります(病名や症状+効果) | 病気の治療と受け取られやすい | その後、お加減はいかがですか |
| 治療・診察・患者様(整体院の場合) | 医療行為と誤解されるおそれがある | 施術・お話を伺う・お客様 |
| 放っておくと悪化します | 不安をあおる | どうぞご無理なさらずお過ごしください |
| 〇〇様も完治されました(体験談) | 個人の例を一般化して見せてしまう | (他のお客様の例は書かない) |
| 地域No.1/最高の技術 | 根拠の示しにくい誇張になる | 地域の皆さまに支えられて〇年になりました(事実に限る) |
大切なのは、「院ができること」を語るのではなく、「相手を気づかう言葉」で書くことです。はがきの目的は施術の説明ではなく、関係を続けることだからです。施術の内容を詳しく知りたい方には、ご来院の際に直接お話しすれば足ります。
整体院と整骨院では、前提となるルールが違う
同じように見えても、資格と法律の前提は異なります。案内を作る前に、ご自身の院がどちらにあたるかを確認しておきましょう。
- 整骨院・接骨院(柔道整復師)、鍼灸院・マッサージ院(あはき師):柔道整復師法やあはき法により、広告できる事項が法律で限定されています。施術者の技能・施術方法・経歴などは広告できず、違反には罰則もあります。2025年2月には、厚生労働省が「あはき・柔整広告ガイドライン」を策定しました。
- 整体院(国家資格によらない施術所):これらの法律の広告制限が直接適用されるわけではないとされます。ただし、医師法や景品表示法などとの関係で、医療行為のように受け取られる表現や、実際より良く見せる表現には注意が必要です。
同ガイドラインでは、広告にあたるかどうかを判断する要件として、誘引性(利用者を誘う意図がある)、特定性(施術者や施術所が特定できる)、認知性(一般の人が知ることができる)の3つが示されています。
1人のお客様に宛てたお礼のお便りと、名簿の全員や地域に配る案内とでは、性格が異なります。後者のように「来院を誘う案内」を広く配るものほど、広告として見られやすいと考えておくと安全です。
個別の文面が広告にあたるか、どこまで書いてよいかは、私どものようなはがき専門店では判断できません。整骨院・接骨院・鍼灸院などの先生は、チラシや案内はがきを刷る前に、管轄の保健所へご確認ください。 料金や割引、施術方法の紹介を案内に入れたいときは、特に事前の確認をおすすめします。
個人情報の扱いも一度見直す
お体の情報は、とりわけ慎重に扱いたい情報です。お便りを送る院は、次の点を確認しておくと安心です。
- 問診票などに、お便りを送る場合があること(利用目的)を示しておく
- 「お便りを希望しない」にチェックできる欄を設ける
- 送付停止の申し出があった方には、確実に送らないようにする
- 名簿や施術記録を院外へ持ち出さない。外部に宛名印刷を頼む場合は、症状など不要な情報を渡さない
問診票の欄ひとつで、送る側も受け取る側も気持ちよくやりとりできます。法律上の細かな扱いが気になる場合は、個人情報保護委員会の案内や専門家にご確認ください。
季節の便り・誕生日・年末年始の案内 例文
来院のきっかけがない時期にも、季節の便りや誕生日のはがきがあると、院の名前を自然に思い出していただけます。年間の予定の組み方は顧客フォローの年間計画が参考になります。
誕生日のはがき
お誕生日は、体調や施術の話を入れず、お祝いの言葉だけで十分です。「この日のために書いた」ことが伝わります。一言メッセージのバリエーションはお客様へのバースデーカード例文集にもまとめています。
〇〇様、お誕生日おめでとうございます。
新しい一年が、笑顔あふれる毎日となりますようお祈りしております。
またお話しできる日を、スタッフ一同楽しみにしております。
年末年始の施術日のご案内
今の時期に用意しておきたいのがこの案内です。施術日や受付時間は、柔道整復師やあはき師の広告でも認められている代表的な事項で、受け取る方にも役立つ情報です。
今年も大変お世話になり、ありがとうございました。
年末年始の受付は、次のとおりとさせていただきます。
年内の受付:12月〇日(〇)〇時まで
新年の受付:1月〇日(〇)〇時から
寒さ厳しき折、どうぞお体を大切に、よいお年をお迎えください。
寒中のご挨拶
寒中お見舞い申し上げます。
厳しい寒さが続いておりますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
〇〇様にとって、健やかな一年となりますようお祈りしております。
寒中見舞いは松の内が明けてから立春の前日までに出すのが一般的で、年賀状の時期を外して目に留まりやすいお便りです。
受付時間や場所が変わるときのご案内
平素より当院をご利用いただき、ありがとうございます。
このたび、受付時間を次のとおり変更することとなりました。
変更後の受付時間:〇時〜〇時(〇曜日は休み)
ご不便をおかけしますが、今後ともよろしくお願いいたします。
移転の場合は、移転のお知らせはがきの例文の書き方も参考にしてください。
忙しい院でも続けられる運用のコツ
施術の合間にはがきを書くのは、現実には大変なことです。続けるには、次のように小さな形に落とし込むのがおすすめです。
「1日3枚・5分」と決める
受付を閉めたあとの5分を、はがきの時間に決めてしまいましょう。枚数を決めておくと、「時間ができたら書こう」と先送りにせずに済みます。文章はあらかじめ印刷しておき、手書きするのは一言だけで十分です。
宛名面の差出人だけでも印刷しておく
差出人の院名・住所・電話番号を毎回手で書くのは負担です。宛名面の差出人部分を印刷しておくと、それだけで手間が大きく減ります。自前での用意が難しい場合は、宛名面の差出人デザイン作成・プリント代行(1枚30円)もあります。
誰に送るかをリスト化する
週に一度、受付の方が次の2つのリストを出すだけでも、書き漏らしがなくなります。
- 今週初めて来院された方(お礼はがき)
- 最後の来院から3か月たった方(ご無沙汰はがき)
はがきを送った日と文面の種類を名簿に残しておくと、同じ文面が続くのも防げます。
費用の目安
はがきの費用は、ポストカード代と郵便料金(85円)の合計です。はがきDoの場合、同じ柄で300枚なら1枚27.5円、400枚なら1枚23.1円で、違う柄を組み合わせても合計枚数で単価が決まります。
たとえば1日3枚を週5日、月に60枚ほど書くなら、年間で700枚前後です。600枚以上をまとめて注文すると単価は1枚18.7円になりますので、1通あたりはポストカード代と郵便料金を合わせて約104円が目安です(別途、ご注文ごとに送料がかかります)。詳しくはまとめ買いの料金をご覧ください。
整体院・整骨院におすすめの柄
お体のことを扱う院のお便りには、華やかすぎず、見ていて気持ちがほっとする柄が合います。
初回のお礼なら、言葉そのものが絵柄になった感謝やありがとうの柄が使いやすいでしょう。どなたにも送りやすく、一言添えるだけで形になります。
間があいた方へのご無沙汰はがきには、やわらかな印象の笑顔や、広々とした草原と青空がおすすめです。「お元気でお過ごしでしょうか」という文面にも自然になじみます。
季節を問わず使える柄を1〜2種類に絞り、「院の定番」として決めておくと、毎回選ぶ手間がなくなります。季節の便りは、その時期の柄を別に1種類用意すると変化がつきます。
感謝・彩むすび書100枚 3,960円(税込)〜
ありがとう・彩むすび書100枚 3,960円(税込)〜
笑顔・彩むすび書100枚 3,960円(税込)〜
一期一会・彩結び書100枚 3,960円(税込)〜
福らむ感謝・彩むすび書100枚 3,960円(税込)〜
草原と青空100枚 3,960円(税込)〜
海岸ハート雲100枚 3,960円(税込)〜
ラベンダーの束100枚 3,960円(税込)〜
業種に合わせた活用の考え方は、業種別ガイドもあわせてご覧ください。同じくお客様との関係が長く続くサロン業については、サロン向けのガイドでもご紹介しています。
よくある質問
よくある質問
- 整体院のはがきに、お客様の症状を書いてもよいですか?
- はがきは本人以外の目にも触れるため、症状名や部位は書かないことをおすすめします。「その後、お加減はいかがですか」といった表現でも気づかいは十分に伝わります。趣味やお仕事など、会話で出た話題を添えると「覚えてもらえていた」と感じていただきやすくなります。
- 「また来てください」と書くのは失礼ですか?
- 失礼ではありませんが、強く促す書き方は避けたほうがよいでしょう。「近くにお越しの際はお顔を見せてください」「久しぶりでもお気がねなくご連絡ください」のように、相手が選べる言い方がおすすめです。来なくなったのはお体の調子がよいからという場合もあるので、不安をあおる言葉も避けます。
- 整骨院では、案内はがきにどこまで書けますか?
- 柔道整復師法により、広告できる事項は法律で限定されています。施術日・時間、予約制、駐車設備といった事項は認められていますが、施術方法や技能などは広告できません。文面が広告にあたるかどうかは内容によりますので、印刷する前に管轄の保健所へご確認ください。
- お礼はがきは、来院後どのくらいで送ればよいですか?
- 来院から2〜3日以内に届くのが理想です。ただ、遅れた場合でも出さないよりは出したほうが気持ちは伝わります。1週間ほどたってしまった場合は、「先日は」と書いて、そのまま送って問題ありません。
- 手書きでないと意味がありませんか?
- 全文を手書きにする必要はありません。本文は印刷し、お名前と一言だけを手書きにする形でも、自分宛てのお便りだと感じていただきやすくなります。無理なく続けられる形を選ぶことが大切です。




