展示会が終わると、手元には何十枚、多いときは何百枚もの名刺が残ります。「お礼の連絡をしなければ」と思いながら、どう書けばよいか、メールとはがきのどちらで送ればよいか迷っている方も多いのではないでしょうか。
実は来場者の側も、同じ数だけ名刺を配り、展示会の翌日にはたくさんのお礼メールを受け取っています。その中で「あの会社だ」と思い出してもらえるかどうかは、送る手段とタイミング、そして一言の中身で決まります。
この記事では、展示会のお礼状をメールとはがきでどう使い分けるか、来場者の温度感・相手別にそのまま使える例文、会期中からできる準備までをまとめました。はがきで営業・顧客フォローを続けてきた専門店の視点でご紹介します。
展示会のお礼状は「メールは当日、はがきは3日以内」
まず結論からお伝えすると、展示会のお礼はメールとはがきの二段構えがおすすめです。それぞれ得意なことが違うからです。
| メール | はがき | |
|---|---|---|
| 送る時期の目安 | 会期当日の夜〜翌日 | 会期終了から3日以内に投函 |
| 得意なこと | 早さ、資料やURLを添えられる | 手に取って読まれる、手元に残る |
| 弱いところ | 他社のお礼メールに埋もれやすい | 届くまで1〜3日かかる、書く手間 |
| 向いている内容 | 資料送付、見積もり・打ち合わせの日程調整 | 来場へのお礼、会話を覚えていることの一言 |
| 送る相手 | 名刺交換したすべての方 | じっくり話した方、今後お付き合いを深めたい方 |
メールは「早さ」と「用件」を担当する
メールの役割は、記憶が新しいうちにお礼を伝え、約束した資料や見積もりを届けることです。展示会の翌日以降は、来場者のメールボックスに出展各社のお礼メールが一斉に届きます。遅れると、それだけで読まれる順番が後ろになってしまいます。
用件がある方には、会期当日の夜か、遅くとも翌日の午前中に送りましょう。
はがきは「記憶」と「印象」を担当する
一方、はがきの役割は、「あの会社の、あの人」と記憶に残ることです。メールで用件を済ませたうえで、数日後に手書きの一言が入ったはがきが届くと、受け取った方は「わざわざ書いてくれたのか」と感じます。
展示会のお礼をはがきで送る出展者はまだ少数派です。だからこそ、デスクの上で目に留まりやすいのです。はがきとDMの違いについては「はがき」と「DM」は違うのだ!でも詳しくお話ししています。
はがきが「3日以内」である理由
はがきは投函から届くまでに1〜3日ほどかかります。会期終了から3日以内に投函すれば、展示会から1週間以内に相手の手元に届きます。1週間を過ぎると、展示会の記憶そのものが薄れ、「どこで会った会社だったか」を思い出すのに時間がかかるようになります。
なお、普通郵便は土日・祝日の配達がありません。金曜日に終わる展示会なら、週明けの月曜日〜火曜日には投函できるよう準備しておくと安心です。
何百枚の名刺から思い出してもらうための一言
展示会のお礼状でいちばん大切なのは、定型の挨拶文ではなく「ブースで交わした会話を覚えている」と伝わる一言です。
「先日はご来場いただきありがとうございました」だけでは、他社のお礼状と区別がつきません。次のような一言があるだけで、受け取った方の中で、あの日の会話がよみがえります。
- 「〇〇の保管スペースでお困りとうかがった件、社内で検討いたしました」
- 「ブースで〇〇の実演を熱心にご覧いただいたのが印象に残っております」
- 「〇〇県からお越しと伺い、遠いところをありがとうございました」
- 「同じ〇〇大学のご出身とわかり、つい話が弾んでしまいました」
その一言は「会期中」にしか拾えない
ここで、意外と知られていないことがあります。この一言の材料は、展示会が終わってからでは、ほとんど思い出せないということです。
一日に数十人と名刺交換をすると、会期が終わるころには、どの名刺の方とどんな話をしたのか、ほとんど区別がつかなくなります。後日お礼状を書こうとして、名刺を前に手が止まってしまうのはこのためです。
そこでおすすめしたいのが、名刺を受け取ったその場で、名刺の余白か裏に会話のキーワードを2〜3語メモしておくことです。「倉庫・棚不足」「来春導入検討」「奈良から」くらいで十分です。相手の前で書くのが気になる場合は、ブースの裏に下がったときや、休憩時間にまとめて書きましょう。
このメモがあるかどうかで、お礼状の質も、書く速さもまったく変わります。
来場者の温度感で、送る手段と文面を分ける
名刺交換をした方を全員同じように扱う必要はありません。展示会の会話から、相手の温度感を大まかに3つに分けておくと、お礼状の書き分けがぐっと楽になります。
| 分類 | 来場者の様子 | メール | はがき | はがきの中身 |
|---|---|---|---|---|
| A:具体的な相談があった | 見積もり・訪問・資料の約束をした | 当日〜翌日(用件) | 3日以内 | お礼+会話の一言+次の約束の確認 |
| B:興味を示した | 説明を聞き、質問をした | 翌日(お礼+資料URL) | 3日以内 | お礼+会話の一言 |
| C:名刺交換のみ | 通りがかり、ノベルティ目当てなど | 翌日(お礼) | 送らなくてもよい | 送るなら季節の挨拶状で後日 |
すべての方にはがきを書こうとすると、手が回らなくなり、結局どれも遅れてしまいます。はがきはAとBの方に絞り、そのぶん一言を丁寧にするほうが、結果的に印象に残ります。
Cの方は、展示会直後のお礼は省いても失礼にはあたりません。年末の挨拶や寒中見舞いなど、季節のお便りのタイミングでご挨拶をすれば、自然にお付き合いを始められます。
【そのまま使える】展示会のお礼状 はがき例文
ここからは、はがきで送るお礼状の例文です。「〇〇」の部分を、名刺のメモをもとに書き換えてお使いください。はがきは書けるスペースが限られるので、本文は150〜200字程度を目安にしています。
基本の例文(どの来場者にも使える)
〇〇株式会社 〇〇様
このたびは〇〇展にて弊社ブースへお立ち寄りいただき、誠にありがとうございました。
多くの方にお越しいただいた中で、〇〇様と〇〇についてお話しできたことを大変うれしく思っております。
ご不明な点などございましたら、どうぞお気軽にお声がけください。
今後ともよろしくお願い申し上げます。
具体的な相談があった方へ(A:見積もり・訪問の約束あり)
〇〇株式会社 〇〇部 〇〇様
先日は〇〇展の弊社ブースにお越しいただき、誠にありがとうございました。
〇〇の入れ替えをご検討中とうかがい、さっそく社内で導入事例をまとめております。
お約束のお見積もりは、〇日までにメールにてお送りいたします。
改めてご説明にうかがえる日を、楽しみにしております。
興味を持っていただいた方へ(B:説明を聞いてくださった)
〇〇株式会社 〇〇様
〇〇展では、弊社の〇〇の実演を熱心にご覧いただき、ありがとうございました。
「現場で使えそうだ」とのお言葉をいただき、担当一同、励みになりました。
ご参考までに、詳しい資料をメールでお送りしております。
何かございましたら、いつでもご相談ください。
遠方から来場された方へ
〇〇株式会社 〇〇様
先日の〇〇展では、〇〇県から弊社ブースへお越しいただき、誠にありがとうございました。
遠方にもかかわらず、〇〇について貴重なお話をお聞かせいただき、大変勉強になりました。
お近くへうかがう機会がございましたら、改めてご挨拶にお邪魔できれば幸いです。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
既存の取引先が来場してくださったとき
〇〇株式会社 〇〇様
平素より大変お世話になっております。
お忙しい中、〇〇展の弊社ブースまで足をお運びいただき、心より御礼申し上げます。
日ごろお世話になっている〇〇様に新製品をご覧いただけたこと、社員一同大変うれしく思っております。
今後とも変わらぬお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます。
紹介者経由で来場された方へ
〇〇株式会社 〇〇様
先日は〇〇展にお越しいただき、誠にありがとうございました。
〇〇社の〇〇様からのご紹介と伺い、ご縁に感謝しております。
〇〇様にも、ブースでお話しした内容をご報告させていただきました。
これを機に、末永くお付き合いいただけましたら幸いです。
紹介してくださった方へのお礼も忘れずに送りましょう。紹介へのお礼状の例文はお客様へのお礼状はがき 文例集にまとめています。
商談の時間を取ってくださった方へ
〇〇株式会社 〇〇様
〇〇展の会期中は、弊社ブースにて商談のお時間をいただき、誠にありがとうございました。
〇〇様から伺った現場の課題は、私どもにとっても大変参考になるものでした。
ご提案の内容をまとめ、改めてご連絡いたします。
引き続き、どうぞよろしくお願い申し上げます。
小規模な展示会・地域のイベントで出会った方へ
〇〇様
先日は〇〇フェアで、弊社のコーナーにお立ち寄りいただきありがとうございました。
〇〇のお話で盛り上がり、楽しいひとときを過ごさせていただきました。
お近くにお越しの際は、どうぞお気軽に事務所へお立ち寄りください。
会期中に会えなかった方(不在時に名刺を置いていかれた方)へ
〇〇株式会社 〇〇様
先日は〇〇展の弊社ブースへお越しいただき、ありがとうございました。
せっかくお立ち寄りいただいたのに、担当の私が席を外しておりご挨拶できず、大変失礼いたしました。
お名刺を拝見し、改めてお礼を申し上げたくお便りいたしました。
ご関心のある分野がございましたら、お気軽にお申し付けください。
メールで送るお礼の例文
はがきと組み合わせて送るメールの例文です。メールは件名で展示会名と社名がわかるようにするのがいちばんのポイントです。来場者は似たような件名のメールをたくさん受け取っているからです。
件名:【〇〇展】ご来場の御礼(株式会社〇〇 〇〇)
〇〇株式会社 〇〇部 〇〇様
本日は〇〇展にて弊社ブースへお立ち寄りいただき、誠にありがとうございました。
株式会社〇〇の〇〇でございます。
ブースでお話しした〇〇の資料を、下記よりご覧いただけます。
(資料のURL)
ご不明な点やご要望などございましたら、本メールへのご返信にてお気軽にお知らせください。
今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
メールで資料を送り、数日後にはがきで「先日の資料はお役に立ちましたでしょうか」と一言添えると、はがきとメールが自然につながります。
はがきで送るときの書き方のポイント
手書きは一言だけでも十分
展示会のお礼状は、まとまった枚数を短期間で書く必要があります。全文を手書きにしようとすると、それだけで投函が遅れてしまいます。
おすすめは、本文は印刷、宛名の「〇〇様」と、会話を覚えていることの一言だけを手書きにする形です。一言は30文字前後で十分に気持ちが伝わります。短い言葉で伝えるコツはなぜ手書きはがきのメッセージは「30文字」なのかをご覧ください。
宛名は名刺の表記どおりに
宛名は、名刺に書かれている会社名・部署名・役職名を、省略せずにそのまま書きます。「(株)」と略さず「株式会社」と書くこと、個人宛なので「御中」ではなく「様」を使うことが基本です。詳しくは宛名の書き方 ビジネス編にまとめています。
差出人の住所・社名・電話番号は、毎回手書きにする必要はありません。宛名面の差出人を印刷しておけば、展示会のたびにすぐ使えます。差出人のデザイン作成と印刷をまとめて任せたい方は、宛名面の差出人デザイン作成・プリント代行(1枚30円)もご利用いただけます。
売り込みは書かない
お礼状に、製品の価格やキャンペーンの案内を詰め込みたくなる気持ちはわかります。ただ、お礼のはがきは「お礼」に徹したほうが、受け取った方の印象はずっとよくなります。用件や資料はメールに任せ、はがきは気持ちを伝える役割と割り切りましょう。
プロの視点:会期中に書き始め、柄でブースの記憶とつなぐ
はがきで顧客フォローを続けてきた立場から、展示会のお礼状をうまく回すための工夫を2つご紹介します。
お礼状は「会期中の夜」に書き始める
多くの方は、展示会が終わってから会社に戻り、名刺の束を前にお礼状を書き始めます。ところが、展示会の翌日は撤収の片付け、溜まった通常業務、社内報告と、いちばん忙しい日です。お礼状は後回しになり、気がつけば1週間が過ぎてしまいます。
そこで、はがきと切手を展示会に持っていき、会期中の夜にその日の分を書いてしまうのがおすすめです。名刺のメモも、相手の顔も、まだはっきり覚えています。複数日の展示会なら、1日目の方には会期中に投函することもできます。
宛名面の差出人と本文をあらかじめ印刷しておけば、夜に書くのは宛名と一言だけ。1枚数分で書き終えられます。
はがきの柄を「ブースの印象」とそろえる
もう一つは、お礼状に使うはがきの柄を、ブースの雰囲気や会社のイメージとそろえることです。
たとえば、ブースのテーマカラーが緑なら草原と青空のような爽やかな風景、木材や住まいに関わる会社ならこの木なんの木のような柄を選ぶと、はがきを見た瞬間に「あのブースの会社だ」と記憶がつながります。ブースで配るノベルティやチラシに同じ柄のはがきを添えておけば、お礼状が届いたときの「見覚えがある」という感覚はさらに強くなります。
お礼の気持ちを率直に伝えたいなら、感謝・彩むすび書や一期一会・彩結び書のような書の柄もおすすめです。展示会での出会いはまさに「一期一会」。言葉そのものが、ご縁への感謝を代弁してくれます。
展示会後のフォローを続ける
お礼状は、お付き合いの始まりにすぎません。展示会で出会った方のうち、すぐに商談に進むのはごく一部です。多くの方は「いつか必要になったら」と考えています。その「いつか」が来たときに思い出してもらえるよう、間をあけてお便りを続けることが大切です。
| 時期 | 送るもの | ねらい |
|---|---|---|
| 会期当日〜翌日 | お礼メール(資料・URL) | 用件と記憶が新しいうちのお礼 |
| 会期後3日以内 | お礼のはがき | 会話を覚えていることを伝える |
| 1〜2か月後 | 季節の挨拶はがき | 「その後いかがですか」と様子をうかがう |
| 年末・年始 | 年末の挨拶、寒中見舞い | 一年のお礼と、来年もよろしくの一言 |
| 次の展示会の前 | 出展のご案内 | 「また会いに行こう」と思ってもらう |
秋から冬に開かれる展示会なら、お礼状の1〜2か月後がちょうど年末にあたります。年末の挨拶や寒中見舞いは、売り込み感なく送れる絶好の機会です。季節のお便りの文面は年4回の季節のご挨拶はがき用・文章テンプレート集やビジネスで使える寒中見舞いの例文を参考にしてください。
展示会のたびに数十枚、数百枚と使うなら、はがきはまとめて用意しておくと安心です。はがきDoのポストカードは同じ柄100枚単位の販売で、300枚なら1枚27.5円、500枚なら1枚20.9円と、枚数がまとまるほど単価が下がります。違う柄を組み合わせても合計枚数で単価が決まりますので、お礼状用の柄と季節の柄を組み合わせて揃えることもできます。詳しくはまとめ買いの料金をご覧ください。ポストカードは通常はがきと同じく、85円の切手で送れます。
展示会のお礼状におすすめの柄
展示会のお礼状には、業種や季節を問わず、受け取った方が「ありがとう」の気持ちを素直に感じられる柄が使いやすいものです。お礼状向けの柄からいくつかご紹介します。
花瓶四つ葉のクローバー100枚 3,960円(税込)〜
ピンクの花瓶のバラ100枚 3,960円(税込)〜
ピンクチューリップ花束100枚 3,960円(税込)〜
赤ちゃんの手と四葉のクローバー100枚 3,960円(税込)〜
子地蔵さん・明朗愛和喜働100枚 3,960円(税込)〜
子地蔵さん・ひとつの言葉100枚 3,960円(税込)〜
子地蔵・さんあなたに逢えて6100枚 3,960円(税込)〜
一期一会・彩結び書100枚 3,960円(税込)〜
よくある質問
- 展示会のお礼状は、メールとはがきのどちらで送ればよいですか?
- 両方を使い分けるのがおすすめです。メールは会期当日〜翌日に送り、資料や見積もりなどの用件を伝えます。はがきは会期終了から3日以内に投函し、ブースでの会話を覚えていることを一言添えて、印象に残してもらう役割を担います。
- 名刺交換した全員にはがきを送るべきですか?
- 全員に送る必要はありません。具体的な相談があった方や、説明を熱心に聞いてくださった方に絞り、そのぶん一言を丁寧に書くほうが印象に残ります。名刺交換だけの方には、お礼メールを送り、後日季節の挨拶状でご挨拶する形でも失礼にはあたりません。
- お礼状を出すのが遅れてしまいました。今からでも送ってよいですか?
- 遅れても送らないよりは送るほうがよいでしょう。「ご挨拶が遅くなり失礼いたしました」と一言添えれば十分です。1か月以上たってしまった場合は、展示会のお礼にこだわらず、季節の挨拶状の中で「先日の〇〇展ではありがとうございました」と触れる形にすると自然です。
- お礼状は手書きでないと失礼ですか?
- 失礼にはあたりません。本文や差出人は印刷にして、相手のお名前と会話を覚えていることの一言だけを手書きにすれば、自分に宛てたお礼状だと十分に伝わります。投函が遅れないことのほうが大切です。
- 受付で来場者カードだけを受け取り、担当者のお名前がわからない場合は?
- 会社名・部署名宛てにして「御中」を使います。お名前がわかる場合は、名刺に記載されている会社名・部署名・役職・お名前をそのまま書き「様」をつけます。展示会のお礼は個人に向けたものなので、できるだけお名前宛てで送りましょう。
