お歳暮の手配を済ませたあと、「品物だけ送りっぱなしでよいのだろうか」と気になったことはありませんか。百貨店やネットで注文すると、品物は直接先方に届きます。けれども、それだけでは誰から、どんな気持ちで贈られたものなのかが伝わりにくいものです。
そこで添えたいのが送り状です。お歳暮を贈ったことを知らせ、一年のお礼を伝える短い手紙で、本来は品物より先に届けるのが正式な形とされています。
この記事では、お歳暮の送り状の基本の構成と出す時期、取引先・お客様・お世話になった方など相手別の例文、送り状と添え状の違いをまとめました。はがきで顧客フォローを続けてきた立場から、送り状を「年末のご挨拶」として生かすコツもお伝えします。
お歳暮の送り状とは?添え状・お礼状との違い
お歳暮に関わる手紙には、いくつか種類があります。名前が似ているので、まず役割を整理しておきましょう。
| 種類 | 出す人 | 出す時期 | 届け方 | 主な役割 |
|---|---|---|---|---|
| 送り状 | 贈る側 | 品物が届く数日前 | 郵便(はがき・封書)で別送 | 品物を贈ったことの予告と一年のお礼 |
| 添え状(メッセージカード) | 贈る側 | 品物と同時 | 品物に同梱 | 簡単なご挨拶。送り状の略式 |
| お礼状 | 受け取った側 | 品物が届いてからすぐ(できれば3日以内) | はがき・封書 | 受け取った報告とお礼 |
送り状は、品物とは別に郵便で送る手紙です。「このたび心ばかりの品をお送りしました」と知らせ、日ごろのお礼を伝えます。
添え状は、品物に同梱するメッセージカードや一筆箋のことです。百貨店やネットショップの「メッセージカード」サービスもこれにあたります。手軽ですが、文面が定型になりやすく、箱を開けるまで目に入らないこともあります。
お礼状は、お歳暮を受け取った側が出すものです。この記事では贈る側の送り状を中心に扱います。
なぜ送り状は品物より先に届けるのか
送り状を先に届けるのには、きちんとした理由があります。
もともとお歳暮は「持参する」ものだった
お歳暮は、本来はお世話になった方のお宅へ年の暮れに品物を持参し、直接ご挨拶をするものでした。それが配送で届けるのが当たり前になり、直接伺えない代わりに、まず手紙でご挨拶をするという形が残ったのが送り状です。
ですから送り状には、「本来ならば持参してご挨拶すべきところ」という一文を入れることがあります。目上の方や大切な取引先への送り状では、今でもこの言い回しが使われます。
受け取る側の準備のため
実務的な理由もあります。
- 誰から何が届くのかが事前にわかる:見知らぬ荷物に戸惑わせずに済みます
- 受け取りの準備ができる:生鮮食品や冷蔵品なら、冷蔵庫の空きを確保したり、在宅の日を調整したりできます
- 誤配や届いていないことに気づける:送り状が届いたのに品物が届かなければ、先方から一言もらえることもあります
- 会社宛ての場合は社内で共有できる:受付や総務の方が「〇〇社さんからお歳暮が届く」と把握できます
品物と同時に届くと、手紙は箱の中に埋もれてしまいがちです。先に一通だけ届く手紙は、それ自体がきちんと読まれる、という点も見逃せません。
お歳暮の送り状を出す時期と、届けるタイミングの目安
お歳暮を贈る時期は、一般に12月上旬から20日ごろまでが目安とされています。地域によって差があり、関東では11月下旬から贈る方も増えています。近年は全国的に早まる傾向があり、11月末から12月上旬に届くよう手配するのが無難です。
送り状は、品物が届く2〜3日前に着くように出しましょう。
| お歳暮の到着予定 | 送り状を投函する目安 | 時候のひと言の例 |
|---|---|---|
| 11月下旬 | 11月20日ごろ | 「向寒の候」「落ち葉の舞う季節となりました」 |
| 12月上旬 | 11月末〜12月初め | 「初冬の候」「師走を迎え」 |
| 12月中旬 | 12月上旬 | 「師走の候」「寒さが日ごとに厳しくなり」 |
| 12月20日ごろ | 12月15日ごろ | 「歳末の候」「年の瀬も押し迫り」 |
郵便の普通郵便は、土曜・日曜・休日の配達がありません。投函から到着まで数日かかることもあるため、日数には余裕を持たせてください。品物のお届け日を指定しておくと、送り状のタイミングを合わせやすくなります。
時候の挨拶の使い分けは、11月の時候の挨拶で詳しく紹介しています。立冬を境に「晩秋」から「初冬」へと言葉が変わる点にも注意しましょう。
会社宛ては年末の休業日に注意
取引先の会社にお歳暮を贈る場合、12月下旬は先方が年末休業に入っていることがあります。生ものが休業中に届くと、受け取る人がいないうえに品物が傷んでしまいます。会社宛ては遅くとも12月20日ごろまでに届くよう手配し、送り状もそれに合わせて早めに出しましょう。
送り状の基本の構成と書き方
送り状は、次の順番で書くとまとまります。
1. 頭語と時候の挨拶:「拝啓 師走の候」など(親しい相手なら省略してもよい)
2. 相手の安否を気づかう言葉:「皆様にはお健やかにお過ごしのことと存じます」
3. 一年のお礼:「本年も格別のお引き立てを賜り」
4. お歳暮を贈ったことの知らせ:「心ばかりの品を〇〇より別便にてお送りいたしました」
5. 結びの言葉:「寒さ厳しき折、どうぞご自愛ください」
6. 結語・日付・差出人
いちばん大切なのは4の部分です。何を、いつごろ、どこから送ったのかを書いておくと、受け取る側が安心します。品名は「〇〇の詰め合わせ」のように簡単でかまいません。
送り状で気をつけたい言葉
- 「つまらないものですが」は避けたほうが無難:謙遜の言葉ですが、最近は「つまらないものを贈るのか」と受け取る方もいます。「心ばかりの品」「ささやかな品」に言い換えましょう
- 「ご笑納ください」は親しい相手に:「笑ってお納めください」という意味の謙遜表現です。目上の方には「ご受納ください」「お納めいただければ幸いです」が適しています
- 値段や「高価な品」などの表現は書かない:相手に気を遣わせてしまいます
- お礼状を求める言葉は入れない:「届いたらご連絡ください」は、相手に返事の手間をかけさせます
お歳暮の送り状 例文【相手別】
ここからは、そのまま使える例文を相手別に紹介します。〇〇の部分を書き換えてお使いください。はがきに収める場合は、5〜8行程度が読みやすい分量です。
取引先へ(会社から会社へ・正式)
拝啓 師走の候 貴社ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。
つきましては、日ごろの感謝のしるしとして、心ばかりの品を別便にてお送りいたしました。
ご受納いただければ幸いに存じます。
本来であれば拝眉のうえご挨拶申し上げるべきところ、略儀ながら書中をもちましてご挨拶申し上げます。
来る年も変わらぬご愛顧を賜りますよう、お願い申し上げます。
敬具
取引先の担当者へ(担当者個人に宛てて)
拝啓 初冬の候 〇〇様にはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。
本年は〇〇の件で大変お世話になり、心より御礼申し上げます。
感謝の気持ちを込めまして、〇〇の詰め合わせを〇〇百貨店より別便にてお送りいたしました。
皆様でお召し上がりいただければ幸いです。
年末に向けてお忙しい日が続くことと存じますが、どうぞご自愛ください。
敬具
目上の方・恩人へ
謹啓 歳末の候 〇〇様にはお健やかにお過ごしのことと存じます。
本年も公私にわたり温かいご指導を賜り、誠にありがとうございました。
本来ならば参上してご挨拶申し上げるべきところ、心ばかりの品を別便にてお送りいたしました。
お納めいただければ幸甚に存じます。
寒さ厳しき折、くれぐれもご自愛のほどお祈り申し上げます。
謹白
個人のお客様へ(お店から)
師走に入り、朝晩の冷え込みが厳しくなってまいりました。
〇〇様には、本年もたびたびご来店いただき、本当にありがとうございました。
日ごろの感謝を込めまして、ささやかな品をお送りいたしました。〇日ごろお手元に届く予定です。
ご家族の皆様でお楽しみいただけましたら幸いです。
来年も、〇〇様にお会いできる日を楽しみにしております。
長くお付き合いのあるお客様へ
落ち葉の舞う季節となりました。お変わりなくお過ごしでしょうか。
〇〇様には開店以来、長きにわたりご愛顧いただき、心より感謝しております。
今年も一年の感謝を込めて、〇〇産の〇〇をお送りいたしました。
寒い季節に温まっていただければ嬉しく思います。
どうぞ良いお年をお迎えください。
生鮮品・冷蔵品を送るとき
拝啓 師走の候 皆様にはお変わりなくお過ごしのことと存じます。
本年も大変お世話になり、ありがとうございました。
感謝のしるしに、〇〇の〇〇を〇月〇日着でお送りいたしました。
冷蔵でのお届けとなりますので、お手数ですが届きましたら冷蔵庫で保管してくださいますようお願いいたします。
皆様でお召し上がりいただければ幸いです。
敬具
受け取る側の手間を減らす一文を添えるのが、生ものを贈るときの気づかいです。お届け日がわかっている場合は書いておくと、先方が在宅の日を合わせやすくなります。
初めてお歳暮を贈るとき
拝啓 初冬の候 ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。
本年は〇〇の折に格別のお力添えをいただき、誠にありがとうございました。
ささやかではございますが、感謝の気持ちとして心ばかりの品を別便にてお送りいたしました。
お納めいただけましたら幸いです。
時節柄、どうぞご自愛くださいませ。
敬具
初めて贈る場合は、なぜ贈るのか(何のお礼か)を一言入れると、相手が戸惑いません。
品物に同梱する添え状(短文)
本年も大変お世話になりました。
感謝の気持ちを込めて、心ばかりの品をお届けいたします。
どうぞ良いお年をお迎えください。
一年間のご愛顧に感謝を込めて。
寒い季節、どうぞ温かくしてお過ごしください。
添え状は短くて構いません。送り状を別便で出したうえで添え状も入れる場合は、内容を重ねず、ひと言にとどめましょう。
意外と知られていない、送り状の「困った場面」の書き方
相手が喪中のとき
お歳暮はお祝いではなく、日ごろのお礼の贈り物です。そのため、相手が喪中でも贈ってかまわないとされています。ただし、次の点に気をつけます。
- 紅白の水引ののし紙は使わず、白無地の奉書紙や無地の短冊にする
- 四十九日を過ぎていない場合は時期をずらし、松の内(1月7日、地域によっては15日)が明けてから「寒中御見舞」として贈る
- 送り状では「おめでとう」「お祝い」などの言葉を使わない
寒さが日ごとに厳しくなってまいりました。
ご服喪中と存じ上げ、年末のご挨拶を控えるべきかとも思いましたが、本年のお礼をお伝えしたく、筆をとりました。
心ばかりの品を別便にてお送りいたしましたので、お納めいただければ幸いです。
寒さ厳しき折、どうぞご自愛ください。
喪中の方へのお便りについては、喪中はがきの返事の出し方と文例もあわせてご覧ください。
年内に届けられないとき
手配が遅れて年内に間に合わない場合は、表書きを変えて贈ります。
| 届く時期 | 表書き | 送り状の書き出しの例 |
|---|---|---|
| 12月20日ごろまで | 御歳暮 | 「師走の候」「歳末の候」 |
| 1月1日〜松の内 | 御年賀 | 「新春の候」「初春の候」 |
| 松の内明け〜立春(2月4日ごろ)の前日 | 寒中御見舞(目上の方には寒中御伺) | 「寒中お見舞い申し上げます」 |
「遅くなって申し訳ありません」と書くよりも、新しい年のご挨拶として仕切り直すほうが、受け取る側も気持ちよく受け取れます。
贈り物を辞退している会社には
取引先によっては、規定で贈答品の受け取りを禁止しているところがあります。公務員の方への贈答も、倫理規定で制限されています。その場合、品物は贈らず、一年のお礼を書いたはがきだけを送るのがおすすめです。品物はなくても、年末に届く一枚は十分に気持ちを伝えてくれます。
プロの視点:送り状を「年末のご挨拶はがき」として生かす
ここからは、はがきで顧客フォローを続けてきた専門店としてお伝えしたいことです。
お歳暮の送り状は、改まった封書で出すものと思われがちです。確かに、目上の方や大切な取引先への正式な送り状は封書が丁寧です。けれども、個人のお客様やふだんからお付き合いのある取引先なら、季節の絵はがきで十分ですし、むしろそのほうが喜ばれることも少なくありません。
理由は三つあります。
- すぐに読まれる:封書は開封の手間がありますが、はがきは手に取った瞬間に目に入ります
- 冬の景色が季節のご挨拶になる:雪景色や樹氷の柄は、それだけで「年の暮れのご挨拶」が伝わります
- 手書きのひと言が引き立つ:印刷の文面に、最後のひと言だけ手書きで添えるだけで印象が変わります
もう一つ、あまり意識されていないのが、送り状は「お歳暮を贈らない相手」にも応用できるということです。品物を贈るのは一部の大切な方だけ、という会社やお店は多いでしょう。けれども、同じ柄のはがきで「本年もありがとうございました」と年末のご挨拶を、ほかのお客様にも送ることはできます。品物を贈る方には送り状として、それ以外の方には年末のご挨拶として、同じ柄を一度にまとめて用意すると、準備の手間もかかりません。
師走の候、いかがお過ごしでしょうか。
本年も〇〇をご利用いただき、心より御礼申し上げます。
寒さが厳しくなってまいりますので、どうぞ暖かくしてお過ごしください。
来年もどうぞよろしくお願いいたします。
手書きのひと言は、長くなくて構いません。「〇〇の件では本当に助かりました」「先日はお子さんの話をありがとうございました」のように、その方とのやりとりを一つ思い出して書くだけで、印刷の文面が「自分あての手紙」に変わります。短いひと言で気持ちを伝えるコツは、なぜ手書きはがきのメッセージは「30文字」なのかでも紹介しています。
送り状をはがきで出すときの実務のポイント
宛名と差出人
会社宛ては「〇〇株式会社 〇〇部 〇〇様」のように、担当者名まで書くと確実に届きます。「御中」と「様」の使い分けは宛名の書き方 ビジネス編をご覧ください。
差出人には、会社名・店名だけでなく、担当者の名前も入れておきましょう。品物を受け取った方がお礼状を出すとき、宛先に迷わずに済みます。宛名面に店名・住所・電話番号を印刷しておくと、毎回書く手間が省けます。差出人のデザインは宛名面の差出人デザイン作成・プリント代行(1枚30円)でもお受けしています。
柄の選び方
送り状に絵はがきを使うなら、次の点を目安に選びましょう。
- 11月下旬〜12月上旬に出すなら、晩秋から初冬の景色。イチョウ並木のような、秋の名残を感じる柄も使えます
- 12月に入ってから出すなら、雪景色や冬の花。樹氷と雪景色は、改まった相手にも使いやすい落ち着いた冬景色です
- クリスマスの柄は個人のお客様向けに:取引先への送り状には、行事色の薄い冬景色のほうが無難です
- 文字が書き込みやすい、色の落ち着いたものを選ぶと、手書きのひと言が映えます
切手と料金
ポストカードは通常はがきと同じく、85円の切手で送れます(2024年10月からの料金です)。年末は郵便物が増える時期なので、投函は早めを心がけてください。
まとめて用意すると単価が下がる
はがきDoのポストカードは、同じ柄100枚単位の販売です。100枚3,960円(1枚39.6円)、300枚8,250円(1枚27.5円)、500枚10,450円(1枚20.9円)と、まとめるほど1枚あたりの単価が下がります。違う柄を組み合わせても合計枚数で単価が決まりますので、送り状用の冬景色と、寒中見舞いや年始のご挨拶に使う柄をまとめて揃えておくこともできます。詳しくはまとめ買いの料金をご覧ください。
お歳暮を受け取ったあとのお礼や、日ごろのお礼状の文例は、お客様へのお礼状はがき 文例集もあわせてお使いください。
お歳暮の送り状におすすめの柄
送り状には、行事色が強すぎず、年の暮れのご挨拶が伝わる冬景色の柄が向いています。品物を贈らないお客様への年末のご挨拶にもそのまま使えるので、同じ柄でまとめて用意しておくと便利です。
樹氷と雪景色100枚 3,960円(税込)〜
ダイアモンドダストと樹氷100枚 3,960円(税込)〜
スイセンの咲く丘100枚 3,960円(税込)〜
フライングペンギン100枚 3,960円(税込)〜
イチョウ並木100枚 3,960円(税込)〜
感謝・彩むすび書100枚 3,960円(税込)〜
よくある質問
- お歳暮の送り状は必ず出さなければいけませんか?
- 必須ではありませんが、品物より先に送り状が届くと、誰から何が届くのかがわかり、受け取る側が安心します。目上の方や大切な取引先には出すのが丁寧です。親しい相手なら、品物に同梱する添え状(メッセージカード)でも失礼にはなりません。
- 送り状はいつ出せばよいですか?
- 品物が届く2〜3日前に着くように出すのが目安です。お歳暮は12月上旬から20日ごろまでに届けるのが一般的なので、送り状は11月末から12月中旬に投函することが多くなります。普通郵便は土日・休日の配達がないため、余裕を持って出しましょう。
- 送り状ははがきでも失礼になりませんか?
- 個人のお客様やふだんからお付き合いのある取引先なら、はがきで問題ありません。目上の方や、改まった関係の取引先には封書がより丁寧です。はがきで出す場合は、季節の絵はがきに手書きのひと言を添えると気持ちが伝わります。
- 送り状が品物より後に届いてしまったらどうすればよいですか?
- 改めてお詫びの連絡をする必要はありません。送り状の役割は贈り物と一年のお礼を伝えることなので、後から届いても気持ちは十分に伝わります。気になる場合は、年始のご挨拶のときに一言添える程度で構いません。
- 相手が喪中でもお歳暮と送り状を送ってよいですか?
- お歳暮はお祝いではないため、喪中の方に贈っても差し支えないとされています。紅白の水引は避けて白無地の紙を使い、送り状にも「おめでとう」などの言葉は入れません。四十九日を過ぎていない場合は、松の内が明けてから寒中見舞いとして贈るとよいでしょう。




