10月の時候の挨拶|上旬・中旬・下旬のビジネス例文と結び、はがきの書き出し

10月に入ると、お礼状やご案内のはがきを書くたびに「秋冷の候でいいのか、もう錦秋なのか」と手が止まる方が多いのではないでしょうか。

10月は、衣替えから始まり、半ばに寒露、下旬に霜降と、ひと月のうちに季節の言葉がはっきり移り変わる月です。

この記事では、10月の時候の挨拶を上旬・中旬・下旬に分けて、ビジネスでそのまま使える書き出しと結びの言葉、場面別の文例をまとめました。

あわせて、はがきでお客様にお便りを続けてきた専門店として、「時期の区切りで迷わない物差し」と「はがきだからこそ使える短い書き出し」もご紹介します。

10月の時候の挨拶 早見表|寒露と霜降で区切ると迷わない

時候の挨拶の「使える時期」は、解説する本やサイトによって少しずつ違います。同じ「錦秋の候」でも、10月中旬からとするものもあれば、11月上旬までとするものもあります。

迷ったときの物差しになるのが、季節の区切りを示す二十四節気です。10月は、次の2つの節気をまたぎます。

  • 寒露(かんろ):2026年は10月8日。草木に冷たい露が宿るころ
  • 霜降(そうこう):2026年は10月23日。朝晩の冷え込みで霜が降り始めるころ
  • 立冬(りっとう):2026年は11月7日。ここから暦の上では冬

つまり10月は「秋の深まりはじめ(上旬)」「秋たけなわ(中旬)」「晩秋(下旬)」と、三段階で季節が進む月です。この流れに合わせて言葉を選べば、大きく外すことはありません。

時期目安(2026年)漢語調(〇〇の候)口語調の書き出し
上旬10月1日〜7日頃秋冷の候/秋涼の候/清秋の候朝夕はめっきり涼しくなりました
中旬10月8日(寒露)〜22日頃錦秋の候/秋麗の候/寒露の候秋晴れの心地よい日が続いております
下旬10月23日(霜降)〜31日頃霜降の候/晩秋の候/紅葉の候朝晩の冷え込みに秋の深まりを感じます
10月中いつでも10月全般清秋の候/爽秋の候/金風の候実りの秋を迎え/秋の夜長の季節となりました

「どれを使えばいいかわからない」ときは、10月中いつでも使える「清秋の候」と「爽秋の候」を覚えておくと安心です。

なお、日付は年によって1日前後します。毎年使う定型文を作るときは、その年の寒露と霜降の日だけ確認しておくとよいでしょう。

10月上旬(1日〜7日頃)の時候の挨拶と例文

10月1日は、学校や会社の制服が冬服に替わる衣替えの日です。日中はまだ汗ばむ日もありますが、朝夕の涼しさがはっきりしてくるころです。

上旬に使える漢語調の挨拶は次のとおりです。

  • 秋冷の候(しゅうれいのこう):秋になって冷気を感じるころ
  • 秋涼の候(しゅうりょうのこう):秋の涼しさが心地よいころ
  • 清秋の候(せいしゅうのこう):空が澄みわたった秋。10月全般に使えます

取引先へのあらたまった文書やはがきなら、次のような形になります。

拝啓 秋冷の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のお引き立てを賜り、厚く御礼申し上げます。

個人のお客様に送るはがきなら、口語調のほうが気持ちが伝わります。

朝夕はめっきり涼しくなり、衣替えの季節となりました。
○○様にはお変わりなくお過ごしでしょうか。

金木犀の香りが漂う季節となりました。
先日はご来店いただき、誠にありがとうございました。

金木犀は、地域にもよりますが9月下旬から10月上旬に香るのが一般的です。「金木犀の香り」は、上旬のうちに使いたい言葉です。

10月中旬(寒露 8日〜22日頃)の時候の挨拶と例文

寒露を過ぎると、空気が澄んで秋晴れの日が多くなります。10月の第2月曜日はスポーツの日(2026年は10月12日)で、運動会や行楽の話題も出しやすい時期です。

中旬に使える漢語調の挨拶は次のとおりです。

  • 錦秋の候(きんしゅうのこう):紅葉が錦織物のように美しいころ
  • 秋麗の候(しゅうれいのこう):秋晴れのうららかなころ
  • 寒露の候(かんろのこう):寒露(10月8日頃)から霜降の前日まで

拝啓 錦秋の候、貴社におかれましてはますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。
このたびは格別のご高配を賜り、心より御礼申し上げます。

秋晴れの心地よい日が続いております。
○○様にはお健やかにお過ごしのことと存じます。

行楽の季節となりました。
ご家族でお出かけの機会も増える頃でしょうか。

「秋冷」と「秋麗」は、どちらも「しゅうれい」と読みます。冷え込みを表すのが秋冷、晴れた日の美しさを表すのが秋麗です。はがきに書くときは、漢字を取り違えないよう気をつけましょう。

10月下旬(霜降 23日〜31日頃)の時候の挨拶と例文

霜降を過ぎると、朝晩の冷え込みが一段と強くなります。北国や山間部では初霜・初雪の便りが届き、平地でも暖房を使い始める家庭が出てくるころです。

下旬に使える漢語調の挨拶は次のとおりです。

  • 霜降の候(そうこうのこう):霜降(10月23日頃)から立冬の前日まで
  • 晩秋の候(ばんしゅうのこう):秋の終わり。立冬の前日まで
  • 紅葉の候(こうようのこう):紅葉が見ごろのころ。11月にもかけて使えます

拝啓 晩秋の候、貴社いよいよご発展のこととお慶び申し上げます。
日頃より格別のお引き立てをいただき、厚く御礼申し上げます。

朝晩の冷え込みに、秋の深まりを感じる頃となりました。
○○様にはお変わりなくお過ごしでしょうか。

下旬に注意したいのは、立冬(2026年は11月7日)を過ぎると、言葉が冬のものに変わることです。10月末に書いたはがきが11月に入ってから届くこともあります。その場合は「晩秋の候」「紅葉の候」のように、11月上旬まで使える言葉を選んでおくと安心です。

はがきに向く「短い書き出し」と10月の結びの言葉

「〇〇の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます」という書き出しは、封書のあらたまった手紙では基本の形です。ただ、はがきの限られたスペースに、これをそのまま入れると、それだけで余白の半分近くを使ってしまいます。

お客様へのはがきなら、頭語(拝啓)を省いて、季節を感じる一言から始めて差し支えありません。当店がおすすめしているのは、季節の一行と、相手を気づかう一行の「二行で始める」書き方です。

  • 秋の夜長、読書がはかどる季節となりました。
  • 実りの秋、新米のおいしい季節になりましたね。
  • 木々の葉が色づき始めました。
  • 秋晴れの空が気持ちのよい毎日です。
  • 朝夕の冷え込みが感じられるようになりました。

手書きのメッセージは、長く書くほど伝わるわけではありません。短い言葉で相手を思い浮かべて書くことの大切さは、なぜ手書きはがきのメッセージは「30文字」なのかでもお伝えしています。

結びの言葉は、時期に合わせて次のように選びます。

時期結びの言葉の例
上旬朝晩は冷えてまいりました。どうぞご自愛ください。
中旬行楽の秋、実り多き日々をお過ごしください。
下旬日ごとに寒さが増してまいります。くれぐれもお体を大切に。
10月全般秋の夜長、どうぞ健やかにお過ごしください。
取引先向け季節の変わり目、皆様のご健勝とますますのご発展をお祈り申し上げます。

「ご自愛ください」は「ご自身の体を大切に」という意味なので、「お体をご自愛ください」と重ねず、「どうぞご自愛ください」とするのが正しい形です。

一言に使える10月の季節の話題

書き出しの一行に困ったら、10月ならではの話題を借りるのも一つの方法です。相手との会話を思い出しながら、合いそうなものを選んでみてください。

話題一言の例
神無月(10月の別名)神無月を迎えました。出雲では神在月と呼ぶそうですね。
衣替え衣替えの季節、クローゼットの入れ替えはお済みでしょうか。
新米・秋の味覚新米のおいしい季節ですね。
運動会・行楽運動会のシーズン、お子様のご活躍はいかがでしたか。
秋の夜長秋の夜長、読書や趣味の時間を楽しまれていますか。
ハロウィン街がハロウィンの飾りで彩られる頃となりました。

10月の別名「神無月」は、全国の神様が出雲大社に集まるため各地から神様がいなくなる月、という言い伝えで知られています。その出雲では、反対に「神在月(かみありづき)」と呼ばれます。こうした小さな話題は、お客様との次の会話のきっかけにもなります。

神無月を迎え、朝夕はすっかり秋らしくなりました。
先日お話しされていたご旅行は、楽しんでいただけましたでしょうか。

プロの視点:時候の挨拶は「書いた日」ではなく「届く日」と「相手の土地」で選ぶ

時候の挨拶の解説ではあまり触れられませんが、はがきでお便りを続けていると、大切なことが2つ見えてきます。

1. 書いた日ではなく「届く日」の季節で書く

はがきは、ポストに入れてから届くまでに数日かかります。近年は普通郵便の土曜日配達がなくなり、配達までの日数も以前より長くなりました。

10月20日に書いて22日に投函したはがきは、霜降を過ぎた24日ごろに届くかもしれません。その場合、「寒露の候」より「晩秋の候」や「朝晩の冷え込みに」のほうが、受け取った方の季節感に合います。

まとめて書いておき、数日かけて投函するときは、「届く日」を基準に、どの時期にもまたがって使える言葉を選んでおくのがコツです。

2. 相手が住む土地の季節に合わせる

10月の季節感は、北と南で大きく違います。北海道や東北の山間部では、10月半ばには紅葉が見ごろを迎え、初雪の便りも届きます。一方、関東や関西の平地で紅葉が見ごろになるのは、例年11月中旬から12月上旬ごろです。

10月中旬に東京や大阪のお客様へ「錦秋の候」「紅葉が見事です」と書くと、受け取った方の窓の外はまだ緑ということもあります。決まり文句として通じはしますが、季節感としては少し先走った印象になります。

全国のお客様にまとめて出す場合は、地域差の少ない「秋の夜長」「実りの秋」「秋晴れ」などを選ぶと、どこに届いても違和感がありません。反対に、特定の方へ書くときに、その土地の季節に合わせた一言を添えると、「自分のことを考えて書いてくれた」と感じてもらえます。

北海道はもう紅葉が見ごろと伺いました。
朝晩はかなり冷え込むのではないでしょうか。どうぞ暖かくしてお過ごしください。

時候の挨拶は、正解の言葉を当てる試験ではなく、相手の今の季節を思い浮かべるための一行です。この視点を持つだけで、決まり文句がぐっと生きた言葉になります。

10月に出すお便りの場面別例文(そのまま使えます)

ここからは、10月によくある場面ごとに、書き出しから結びまでの文例をご紹介します。○○の部分を差し替えてお使いください。

ご来店・ご成約のお礼(個人のお客様へ)

秋晴れの心地よい日が続いております。
先日はご来店いただき、誠にありがとうございました。
○○様とお話しできて、とても楽しいひとときでした。
朝晩は冷えてまいりましたので、どうぞご自愛ください。

お礼状の基本や、初回来店・ご紹介など別の場面の文例は、お客様へのお礼状はがき 文例集にまとめています。

しばらくお会いしていないお客様へのご挨拶

木々の葉が色づき始めました。
○○様、その後お変わりなくお過ごしでしょうか。
夏前にお会いして以来、ご無沙汰してしまいました。
近くへお越しの際は、どうぞお気軽にお立ち寄りください。

取引先へのお礼(ビジネス)

拝啓 清秋の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
このたびは弊社展示会にご来場いただき、誠にありがとうございました。
今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
敬具

秋のご案内に添える一言

実りの秋を迎えました。
当店でも秋の新メニューをご用意いたしました。
○○様のお好きな栗を使ったお料理もございます。ぜひお試しください。

ご案内のはがきは、季節の一言と「あなたのことを覚えています」という一言が入るだけで、印刷のチラシとは受け取られ方が変わります。

10月下旬、年末に向けたご挨拶

朝晩の冷え込みに、秋の深まりを感じる頃となりました。
今年も残すところ二か月あまりとなりましたが、
本年中に、あらためてご挨拶に伺えれば幸いです。
季節の変わり目、どうぞお体を大切にお過ごしください。

秋・冬・春・夏の年4回のお便りを習慣にしたい方は、年4回の季節のご挨拶はがき用・文章テンプレート集もあわせてご覧ください。

10月のはがきは「柄」でも季節を伝えられる

時候の挨拶を短くできるのは、絵はがきならではの強みです。表面のイチョウや栗の絵が、すでに「秋になりましたね」と語ってくれるので、文章は相手への一言に使えます。

たとえば、黄色く染まった並木道のイチョウ並木は、10月から11月まで使える秋の定番の柄です。取引先へのお礼にも、個人のお客様へのお便りにも合わせやすい落ち着いた絵柄です。

食べ物の話題を添えたいときは、栗や秋刀魚塩焼きのような実りの秋の柄もおすすめです。「秋の味覚を楽しんでいらっしゃいますか」という一言が、自然に書けます。

季節の絵はがきを、書類や商品に添える一筆箋代わりに使う方法は、季節の絵はがきを一筆箋代わりに添えるでご紹介しています。

10月のお便りにおすすめの秋の柄

はがきDoの絵はがきは同じ柄100枚単位でのご購入ですが、違う柄を組み合わせても合計枚数で単価が決まります。イチョウ、栗、ガーベラなど、秋に使える柄をお客様や用途に合わせて組み合わせていただけます。枚数ごとの料金はまとめ買いの料金をご覧ください。

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よくある質問

10月の時候の挨拶で、10月中いつでも使えるものはありますか?
「清秋の候」「爽秋の候」「金風の候」は10月全般に使えます。口語調なら「秋の夜長の季節となりました」「実りの秋を迎え」などが時期を問わず使いやすい表現です。
「秋冷の候」と「秋麗の候」の違いは何ですか?
どちらも「しゅうれい」と読みますが、秋冷は秋の冷え込みを、秋麗は秋晴れのうららかな美しさを表します。秋冷は10月上旬、秋麗は10月中旬から11月上旬ごろに使うのが一般的です。
10月末に出すはがきが11月に届きそうなときは、どの挨拶を使えばよいですか?
「晩秋の候」「紅葉の候」のように、立冬(2026年は11月7日)の前後まで使える言葉を選ぶと、10月末に届いても11月上旬に届いても違和感がありません。
お客様へのはがきでも「拝啓」や「〇〇の候」は必要ですか?
個人のお客様へのはがきなら、頭語を省いて「朝夕はめっきり涼しくなりました」のような口語調の一言から始めて差し支えありません。取引先へのあらたまったお礼状などでは、「拝啓 清秋の候」のような漢語調が無難です。

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