見込客を見つける

スイッチングコストとライフタイムバリューから考える「はがき」の活用

経営の目的とは?

経営の目的は何ですか?

私が良く、セミナー会場で受講者さんに聞く質問のひとつに、
経営の目的は何ですか?
(経営者で無ければ、営業の目的は何ですか?)
があります。

帰ってくる答えは様々です。

「社員のため」「家族のため」「利益」「社会貢献」「地域貢献」・・・
もちろん、正解はありません。

「社員のため」に経営する経営者さんに、

私が、それは間違いです!って言う気も無いですし、その権利もありません。
だって、「社員のため」に経営されているのですから。。。

経営の目的は「利益」ではない



経営の目的が「利益」というのは頂けません。

経営の目的は、それぞれありますが、
ただ「利益」というのは頂けません。

「利益」は、企業にとって必要不可欠なのですが、
目的になると、経営がおかしくなります。
例えば、○ックモーターさん。
おそらく、問題が起こった時。
経営の目的は利益だったのでしょう。

目的の「利益」のためには、お客様は二の次。そうなってしまいます。

ちなみに、ドラッガーもこう言っています。
「経営の目的は利益ではない!

 利益は会社を長期的に安全に保つための必要で欠かせない経費と見るべき」だと。

利益は、企業の存続に必要不可欠なのですが、

目的にすると、経営がおかしくなっちゃいます。

経営の目的は「お客様づくり」

私は、経営の目的は何ですか?と聞かれたら、

「お客様を作ること」だと答えます。

理由は、数字、売上げ、利益は、結果であり、

その原因は「お客様」にある。

お客様づくりをして、お客様が増えれば、
数字、売上げ、利益は、自然に増える。

よって、経営の目的は「お客様づくり」にあるのです。

顧客創造をして、顧客維持を継続する。

そうすると、お客様は増え、利益を得て業績が良くなる。

理想的なお客様の流れ

さて、そんなお客様ですが、
理想のお客様の流れを考えてみました。

  • 一般    名前も知らない、会社の前を歩いてる人
  • 見込客   一般の中から、自社の商品・サービスに興味を持ってくれた方
  • 顧客    見込客の中から、自社の商品・サービス買い、契約してくれた方
  • リピーター 契約頂いた後に、再度、自社の商品・サービス買ってくれた方
  • 紹介    お客様と良いコミュニケーションが取れ、見込客を紹介してくれる


上から順番に、一般の方が、最終、新しいお客様を紹介頂ける。

図の矢印通りに、お客様が流れて行けば、
必ず業績は良くなります。
理由は、お客様が増えるからです。

一番、大変で、お金がかかり、難しいのは?

さて、ここで質問ですが、
図に矢印があります。
● 一番大変なのはどの矢印でしょうか?

● 一番お金がかかるのはどの矢印でしょうか?

● 一番難しいのはどの矢印でしょうか?

見込客を見つける、1番の矢印か?

見込客から、実際に買い、契約して顧客になって頂く2番の矢印か?

買って頂いたお客様に、再度買って頂く3番の矢印か?

お客様との人間関係を良くして、紹介して頂く4番の矢印か?

皆さんのビジネスでは、どの矢印になりますか?

それぞれの業種、業態、取扱う商品、サービスにもよりますが、

一般的には、答えは1番。

「見込客を見つける」ことの大切さ、難しさ

「見込客を見つける」ことが、大変で、お金がかかり、難しいとされています。

大企業が、見込客を見つけるために、ものすごいお金と労力を使っているのを、

店頭やネット、広告媒体を見ると、よく見てとれると思います。

頑張り、お金を掛け、テクニックを駆使して見込客を見つけ、

なんとか買って頂き、契約に持ち込め、

「見込客」を「顧客」にできた!!
しかし、業績を上げるためには、また次の新規顧客が必要となり、

見込客を見つけることに注力することになるわけですが、

多くの中小零細企業は、顧客維持に注力するパワーが無く。
残念ながら「うりっぱなし」になってしまう。

すると、顧客が流出して、また、見込客を見つける作業。

大変で、お金がかかり、難しい作業をしなければならなくなる。

まさに悪循環。

その解決策は、コストを掛けずに効率的にお顧客維持活動を行う事である。

顧客維持とは、お客様との定期的なコミュニケーションの継続。
お客様に、好かれ、気に入られ、忘れられなくすること。

もちろん、お客様とのコミュニケーションで一番効果的なのは「会う」ことなんですが、

それは、コストがかかり過ぎるのです。

会いに行く交通費、人件費。。。
費用対効果が合わないのです。

なので、年4回の、お客様にお出しする「季節のごあいさつのはがき」

こちらをお勧めするのです。

スイッチングコストとライフタイムバリュー


スイッチングコスト
新規の顧客獲得のために必要な費用

ライフタイムバリュー

「顧客生涯価値」のこと。

ある顧客が自社の利用を始めてから終わるまでの期間に、その顧客がどれだけの利益を
自社にもたらしてくれるのかを表す指標

共に、顧客維持が重要だという事を理解して欲しいのです。

スイッチングコスト

先程の矢印ですが、

買って頂いたお客様に、再度買って頂く3番の矢印に必要なコストを基準値にした場合、

1番の見込客を見つける矢印は、9倍のコストが掛かると言われています。
顧客維持が機能せず、顧客が流出すると、また、大変で、難しい作業を、莫大なコストを掛けて行う必要があるという事。

ライフタイムバリュー

顧客維持を機能させて、顧客の流出が無く、常に長期にわたって特定のお客様が買い続けてくれると多くの利益が生まれるという事。


一人のお客様と長いお付き合いを

例えば、「たばこ」

1箱600円のたばこを、毎日1箱吸う方が、毎日、たばこを買ってくれたとしましょう。

1ケ月で 600円 × 30日  = 18,000円

1年間で 18,000円 × 12か月  = 216,000円

そんなお客様が、30名いてくれたら、ひと月で650万円の売り上げになります。
そんな状態が、10年続いたとすると、6,500万円の売上げになります。

町の小さなタバコ屋さんで、
お客様とコミュニケーションを取り、良い関係性を維持して、
好かれ、気に入られ、忘れられなくすると、
小さな金額でも大きな利益をもたらしてくれるという事です。

顧客維持に注力し、ニーズがあれば声をかけて頂く関係性を維持する。

そうすることで、しっかりと売上げの土台作りを作っていく。
とても大事なことではないでしょうか。

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