京うちわ

「京うちわ」と手書きの季節はがき。共通は「ほっ。」

先日、京うちわを製造販売されている老舗の大将とお話しする機会を頂きました。

そのお店は、元禄2(1689)年創業、なんと336年続く老舗です。

「京うちわ」とは

古都「京都」で創作されその豊かな風土と文化に育まれ、
その時代の人々の生活に密着しながら今日もなお常に新しい創意と工夫を加え、
他の地方では見られない繊細優美な美しさを生み出す。
京うちわの特徴は、うちわ面と柄を別に作り、
後から柄を差し込む「差し柄」の構造となっているのが大きな特徴で、
宮廷で用いられた「御所うちわ」をルーツとしており、
柄はしばしば漆に金彩を施すなど、
もはや、暑い時に風を送り、涼をとるためのものではなく、
優美な趣を持ち合わせる、最高の造形的工芸品です。
また、「京扇子」「京うちわ」の名称表示ができるのは、
京都を中心として国内で生産された商品のみだそうです。

うちわから、ハンディファンへ

そのお話の中で、
近年、暑い時に涼をとるために風を送る「モノ」としては、
ハンディファンに、その役目を持って行かれました。
ただ、京うちわを持っているという事自体の上品さ。
暑いからといって、バタバタとあおぐと、見ている方も暑苦しくなる。
上品にあおぐと、見ている方まで「涼」を感じる。
そうお聞きしただけで、その光景が目に浮かび、
すぐに、京うちわが欲しくなりました。

日常の「ほっ」て大切ですよね

また、先日、能登で災害に合われたお客様がお店に来られて、
日々、復旧に向けてなりふり構っていられない日常の中で、
手元に置いておくことで、なんだか「ほっ」とするものが欲しくて、
買い求めに来たとのこと。
職人冥利に尽き、ものすごく嬉しかったとおっしゃっていました。

そのお話を聞かせて頂いている時に、
ふと、季節ごとにお客様にお送りする手書きのおはがきも、
お送りする方に、それに似た気持ちを少し感じて頂けるのではないか。
そう感じました。

京うちわに、ハンディファンが出現したように、
役目としては、はがきに代わって、
メールやLINE、SNSなどが台頭してきています。
確かに、共に便利です。

京うちわや、手書きのはがき。だからこその価値

でも、京うちわだから、手書きのはがきだから、
それだからこそ、その人の気持ちを、「ほっ」とさせる何かを持ち合わせている。

そんな、小さなことですが、
そんな小さな「ほっ」が、
日常に少しでもあれば、より豊かな日常になる気がします。

お客様に年4回の季節のご挨拶を手書きのはがきで送る。
大切なお客様にも、日常の「ほっ」をお届けしたいですね。

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